盆栽は樹形と呼ばれるいくつかの決まった形があります。ここでは樹形についてお話します。
当店でのお買い物当店でのお買い物・鑑賞の際の参考になれば嬉しいです。
模様木 もようぎ
盆栽の樹形の王道で、根張りが良く幹が左右、奥に動いている樹形です。
根張り、立ち上がり、コケ順がとても大切な要素で、下の方から上の方に向かって徐々に細くなる幹、足元は平地にどっしり踏ん張るような感じ根張り、幹の動きに合わせた差枝、受けの枝など順序正しくあれば理想的。
基本は、一の枝が一番太くしっかりとしていて、受けの枝とその後は基本的にはだんだん細くなるのが良いです。
基本が出来たら崩すのも味が出ます。
頭の部分の作り方は、ある程度の枝を使って全体で作るのがトレンドですが、基本的には芯が一番太いのが好ましいです。
枝も芯になるところが一番太く、太いところが2,3か所あるとごつく見えるため、早めに流れにそぐわない枝(芽)を取り胴吹きを狙って作っていきます。
盆栽の樹形の中で種木から作ると一番作りづらい樹形であり、取り木、根継ぎ、枝継ぎなど色々なテクニックが必要で、懸崖などに比べると時間がかかり、価値も高いです。
また、樹の動きがクイックでコンパクトならば枝も幹も生かしてコンパクトに作り、なだらかな動きの樹は枝を柔らかくフワッと作ると良いでしょう。また、雑木は雑木らしく、松柏は松柏らしく特徴を生かすことも大切です。
直幹 ちょっかん
今から50〜60年前に流行ったそうです。今でもケヤキ、杉、ヒノキなどは、この樹形が「らしさ」も出るので良く作られています。他の樹形と違い、一本の枝も枯死させられず、途中で太るとダメなど制約も多い樹形と言えます。ただ、他の樹形と明らかに違うため、自分の盆栽棚に何本かは欲しいですね。
樹を作っていくうえでは、まず根張りが八方根張り、または座になっていなければならないし、立ち上がりから芯までがまっすぐで徐々に細くなっていくのが理想です。コケ順が良く、正しいところに枝があり古さがありという樹が好まれます。
文人 ぶんじん
文人木は細くても、太くてがっしりした樹と同じ展示会に飾っても負けません。その作者のセンスが出しやすい樹形です。細く自然な感じで時代がすごく乗っていいねという樹が理想的です。動きが人工的であったり、幹がイメージよりも太かったり、樹が若かったりすると全然面白くなく、良くできたなーと感心する樹が良いのです。
ただ、良くできても価格は高くないですね。
懸崖 けんがい
鉢からこぼれるように樹が下がる樹形のことです。
根張りもあれば言うことないですね。また、根元が太くてコケ順も良ければ銘木となります。
崖に生えている風景などを模しています。
山取りの樹なども多く、その時は根張りが座にならなくても、取られた厳しい環境もイメージできるので「山味がある」と評価されます。
模様木に比べ自由度が高く、色々な形があり、枝もあまり決まりがないので流れ、動きなどを読み取ってそれに沿って作っていくとなんとなく作れるので、模様木よりも安価に楽しめると言えます。
特に、リンゴ、アケビなど実が下がる樹種などは模様木より見栄えが良いです。
株立ち、根連なり、寄せ植え かぶだち・ねつらなり・よせうえ
平地や雑木林などの風景を模して作った樹形で、関東はそのような風景が多かったようです。
ごつさは必要なく柔らかさが見せどころで、主幹が一番太く、樹の強弱を作り流れを出します。
味を見る樹形であり、雰囲気で見せるものであるので、空間や全体の協調性も大事です。変なところに太い枝があったり、全体は柔らかく動いているのに一本だけ動いていない(幹、枝両方において)というのは評価が低いです。
また、植わっている樹の数は、5,7,9など奇数が良しとされています。
模様木よりも安価で肩に力を入れない樹形と言えます。
根上がり ねあがり
根の芸を見せて全体的にまとめる盆栽です。懸崖の樹形が多いですが文人木などにもあります。
根の芸が面白さを出しているので、比較的簡単に姿も出しやすいので初心者向きとも言えます。
黒松や五葉松などは幹よりも根の部分の方が皮が荒れづらいので、根の部分に時代が乗るというのは大変なことです。
石付き いしつき
石に植えられている盆栽のことです。石付きの盆栽の樹形は色々あります。
揖斐川石(いびがわいし)に懸崖などの動きの強い樹を付けたり、鞍馬石(くらまいし)に柔らかめの樹を付けたりと自然の感じをわかりやすく見せるのに適しています。
商品としては扱いますが、今まで作ったことはありません。また、幹に大きな傷があり、その傷のところにはめ込み、キズを無かったものにするなど弱点を石によって補う作り方もあります。